【Ozone8】声のミックスもマスタリングも、ぜーんぶ人工知能(AI)に任せよう!【Neutron2】

こんにちは。トラックメイカーのPIANO FLAVAです。
一昨日の夜に、iZotopeのOzone8とNeutron2をSplice経由で導入したので、そのファーストインプレッションを書いてみたいと思います。
個人的には便利すぎて震えてます。それではどうぞ!
簡単なデモ
前半がバイパス、後半がOzone、Neutronありです。ちなみにほぼAIに任せてます。
iZotope Neutron2レビュー
Neutron2、簡単に言うとEQやコンプなどミキシングで使うエフェクトが、ひとつにまとまったものです。
具体的には以下のモジュールが内蔵されています。
Gate
Dynamic Equalizer
Compressor
Exciter
Transient Shaper
Limiter
※Limiter以外は全てマルチバンドでも動作します
こう書くと、あ~よくあるチャンネルストリップ系プラグインね、となるかもしれませんが、Neutron2の目玉機能として、トラックアシスタント機能、いわゆる「人工知能(AI)」が搭載されています!!
トラックアシスタント機能の使い方
1.そのトラックの楽器(ボーカル、ギター、ベースなど)
2.AIのスタイル(明るい音色に仕上げるか暗い音色に仕上げるか)
3.どれぐらいAIに補正してもらうか(強めか弱めか)
の3つを指定してやるだけ。あとはDAW側でそのトラックだけを(=SOLO)再生させてやれば、自動で解析して最適なミックスバランスに仕上げてくれます。解析にかかる時間はわずか10秒ほど!!
デモ音源
試しに、手持ちの曲でやってみたので音源を置いておきます(ラップはTKSさん(Twitter : @T_K_S_INFO)です)。
Neutronなし
Neutronあり
めっちゃよくないですか。声の明瞭度が上がっているのがわかると思います。
Neutron側で、手動でステレオ感を調整するとこんな感じ。
Neutronあり、Width +12%
もちろん、コンプなどのエフェクトを、AI補正後の状態からさらに追い込んでいくことも可能です(ちなみに各エフェクトのかかる順番も自由に変えられます)。
プリセットも充実してますし、時短プラグインというよりは、楽曲制作のあり方が今後ガラッと変わる可能性を秘めたプラグインだと思いました!
空間系(ディレイやリバーブなど)はNetronに含まれないので、自分で好きなものを使いましょう!
※Neutron2のエディションについて
Elements(機能限定版)、Standard(通常版)、Advanced(上位版)の3つが存在します。
ElementsはAI機能がEQしか使えないので、Standard以上がオススメです。
iZotope Ozone8レビュー
続いてOzoneの紹介。Neutronがミックス用だとするなら、こちらはマスタリング用ですね。Neutronとは異なりスタンドアロンでも使えます。もちろんAI(マスターアシスタント機能)も入っていますよ!
内蔵モジュールは
Maximizer
Imager
Equalizer
Dynamic EQ
Exciter
Vintage Limiter
Dynamics
の7つ。上位版(Ozone8 Advanced)では、このほかVintage EQ、Spectral Shaperなども使えます。
肝心のマキシマイザー(IRC 4)の音質も良好ですが、クリーンすぎる場合はビンテージリミッターを併用することでお手軽に音の質感を変えられます。
マルチバンドのステレオイメージャーも優秀ですね。例えば低域は狭く、高域はワイドにするのが一般的でしょうか。
デモ音源
Neutronと同じように簡単なデモを作ってみました(曲は「昇る」SoundCloud)
順に、マスタリング前(=2mix)、私がOzone以外のプラグインでマスタリングしたもの、Ozone8のマスターアシスタント機能を使ったもの、です。
2mix
マスタリング by PIANO FLAVA
マスタリング by Ozone8
Ozone8ヤバくないですか!?
正直私のマスタリング負けてます!
追加で、ステレオイメージャー、ビンテージリミッターを手動で調整してみるとこんな感じ。
マスタリング by Ozone8をもとに微調整
いいですね。
ただし内蔵のマキシマイザーはやや音圧を上げにくい(=歪みやすい)気もするので、もしInvisible LimiterやStealth Limiter、Pro-Lなどをお持ちの方は、そちらを使ってみてもいいかもしれません。
また、Ozone自体のサウンド(現代的な、カチッとした音色)は個人的にとても好きなのですが、アナログ的な柔らかい音色は苦手だと感じています。
※Ozone8のエディションについて
これもElements、Standard、Advancedの3つあります。
iZotope Ozone 8 – Advancedとの違い | DTM Guide
http://dtm-manual.com/dtm-channel/ozone8-advanced/
がとてもわかりやすいです。
まとめ
Twitterにも書きましたが、画像処理(Photoshop, Adobe Sensei)と音声処理(今回のOzone8, Neutron2)という違う分野で、ほぼ同時にAIによる画期的な機能が実用化されたのはとても興味深いです。
個人的にここ1~2年で一番買って満足しています。それではまた!
Twitter : @piano_flava
SoundCloud : @piano_flava